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不動産(土地や建物)売却の確定申告における売買契約書/請負契約書の有無

不動産(土地や建物)売却の確定申告における売買契約書/請負契約書の有無

こんにちは、今週担当の山納です。

早いですね、気が付けばもう2月中旬となりました。

始まりますよ、今年も確定申告が!

今年の受付期間は、2月18日(月)から3月15日(金)までですので、申告対象の方はお忘れなく申告しましょう。

今回、土地や建物といった不動産を売却した時に行う譲渡所得の確定申告について触れたいと思います。

ここでは、わかりやすく簡単な事例をあげてみます。

平成30年中に所有していた土地を500万円で売却しました。

この土地は10年前に300万円で購入したものです。(売買契約書あり)

売却の時に、不動産会社へ仲介手数料として10万円を支払いました。

この場合、所得税の計算はこうです。

譲渡価額(収入金額)- 必要経費(取得費+譲渡費用)= 譲渡所得金額
500万円      300万円+10万円     190万円

譲渡所得金額 × 所得税率 = 所得税
190万円    15%   285,000円

※住民税も考慮した場合 190万円 × 20% = 380,000円

※上記で算出した所得税の他に、復興特別所得税が別途かかります。

ここでポイントとなるのが取得費です。

例のように土地を購入した時の売買契約書がきちんと残っている場合は、300万円が必要経費の取得費として認められます。

しかし、この売買契約書が必ずしも残っているとは限らないのです。

例えば、先祖代々受け継がれてきた土地で、関係書類が何もない・・・とか、親から相続で受け取ったが、関係書類は何も受け取らなかった・・・などです。

実際に、当事務所でも毎年数件、土地建物の譲渡所得の確定申告をさせていただいていますが、対象不動産の取得時期が古くなればなるほど関係書類がないケースが多いです。

このように、売買契約書や請負契約書など関係書類がなく取得費が不明な場合どうなるのかですが、次のような概算取得費控除の特例というものがあります。

「実際の取得費が譲渡価額(収入金額)の5%相当額に満たない場合には、その5%相当額を取得費の金額として計算することができます。」

上記の事例でいうと、取得費は以下のようになります。

譲渡価額(収入金額)× 5% = 概算取得費
500万円      5%   25万円

関係書類がなく取得費が不明な場合、取得費0円としてみなされてもしかたがないところ、概算取得費として25万円も必要経費として認めてくれるのでラッキーですよね。

でも、そもそも売買契約書や請負契約書があれば・・・。

事例では取得費が300万円だったわけですから、関係書類があるかないかで取得費が275万円も違ってくるわけです。

所得税額の比較でいえば、関係書類がある場合は285,000円で、ない場合は697,500円となり、412,500円も多く納税することになってしまいます。

今回お伝えしたいことは、不動産取得時の売買契約書や請負契約書などの関係書類は、大切に大切に保管をしておいていただきたいということです。

また、将来遺産相続により不動産を引き継ぐ可能性がある方は、ご両親がご存命のうちに関係書類の確認をされることを強くお勧めします。

近年、終活ということでお元気なうちに葬儀や墓、遺言や遺産相続などについて準備をされる方が増えてきておりますが、書類の確認を事前にしておくということも終活の一環ではないかと思います。

不動産の売却による譲渡所得の確定申告は、いろんな条件によって申告処理の仕方が変わってきますので、今回お伝えした事例のような単純に処理ができるケースは少ないと思います。

譲渡所得だけにかかわらず、確定申告についてご不明な点がございましたらご遠慮なく当事務所へお問い合わせのご連絡をいただけたら幸いです。

ご相談は無料ですので。

~土地や建物を売却した時の税金のご相談なら三重県鈴鹿市の南部博税理士事務所まで~

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