スタッフブログ

年末調整の季節がやってきました!

今年もいよいよ、あと1ヶ月半となりました。

年明けから始まった新型コロナ感染症はまだまだ収まる気配はみせず、冬に向かってさらに勢いを増している様子です。各個人の生活が一変し、経営状況に大きく影響を受けた事業者も少なくありませんでした。

これから寒くなって空気が乾燥してくると、特に感染が拡がりやすいと言われています。マスク、手洗いの習慣はもちろん、密を避ける行動で乗り切りましょう。

さて冬といえば、税務では年末調整のシーズンです。会社の方ではそろそろ準備を始めている頃でしょうか。

毎年行われている年末調整ですが、今年は大きな変更点がありました。今回はそれについて、いくつかお話したいと思います。

給与所得控除と基礎控除の変更

給与所得控除とは給与収入から差し引かれる控除のことで、給与所得者のいわば必要経費とみなされるものです。この控除額が一律10万円引き下げられました。

さらにその上限が220万円から195万円に引き下げられ、年収850万円を超える人は給与所得控除額が一律195万円となります。

給与所得控除は減額されますが、基礎控除額が38万円から48万円に引き上げられました。基礎控除とは、すべての納税者に適用されるものです。

ただし、合計所得金額(給与所得以外の所得もすべて合計した金額)が2,400万円を超える人は、段階的に基礎控除額が引き下げられます。そして合計所得金額が2,500万円を超えると、基礎控除は適用されなくなります。

つまり、給与収入が年間で850万円を超える場合は税額への影響がありますが、850万円以下であれば、給与所得控除が10万円減額されても基礎控除額が10万円増額されるので影響はありません。

所得金額調整控除の創設

給与所得控除額の上限が引き下げられたことにより、給与年収850万円を超える人にとっては増税となりますが、一定の条件を満たす人については、増税されない措置がとられています。それが「所得金額調整控除」です。

以下のいずれかに当てはまる人に適用されます。

  1.  本人が特別障害者に該当する人
  2.  年齢23歳未満の扶養親族を有する人
  3.  特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する人

控除額は以下の計算式で計算されます。

 所得金額調整控除額=(給与収入-850万円)×10%

 ※給与収入が1,000万円超の場合は一律1,000万円

この控除の適用を受けるためには、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の所得金額調整控除申告書欄に記載、提出が必要となります。

ひとり親控除の創設

今まで寡婦(寡夫)控除は、離婚や死別によって配偶者がいなくなった人のみに適用されてきましたが、今年から性別や婚姻の有無にかかわらず、以下の要件を満たす場合には「ひとり親控除」として35万円を控除することができるようになりました。

 

 1. その人と生計を一にする子を有すること。

 2. 合計所得金額が500万円以下であること。

 3. その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいないこと。

※その人と生計を一にする子とは、他の人の同一生計配偶者又は扶養親族とされている人以外で、その年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額が48万円以下の子をいいます。

※その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人とは、住民票の続柄に「未届の夫」又は「未届の妻」である旨「その他の事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる続柄」である旨の記載がされた人をいいます。

なお、寡夫控除は廃止され、ひとり親控除に含まれることとなりました。

また、寡婦控除は、ひとり親控除の適用条件に当てはまらない場合で、以下の要件に該当する女性に対して適用されます。

 1. 本人の合計所得金額が500万円以下であること
 2. その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいないこと。

「扶養控除」などの合計所得金額要件等の改正

各種所得控除を受けるための扶養親族等の合計所得金額要件が、下記の表の通り変更となりました。

扶養親族等の年間収入が給与収入のみだった場合は、実質的な変更はありませんが、合計所得に給与所得以外の所得が含まれる場合は、今まで該当しなかった人が該当することとなるかもしれません。

 

扶養親族等の区分 合計所得金額要件
改正後 改正前
同一生計配偶者 48万円以下 38万円以下
扶養親族 48万円以下 38万円以下
源泉控除対象配偶者 95万円以下 85万円以下
配偶者特別控除の対象となる配偶者 48万円超133万円以下 38万円超123万円以下
勤労学生 75万円以下 65万円以下

 

今年の年末調整では、今までの「給与所得者の配偶者控除等申告書」が、「 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」となり、兼用様式となりました。そのため配偶者のいない給与所得者も、提出が必要なのでご注意ください。

一見すると、とても複雑になり記入箇所も増えたので、慣れるまでは戸惑うこともあるかと思います。そのため、今年は特に早めのご準備をお勧めします。

後藤百合子

~年末調整や税金のご相談なら三重県鈴鹿市の南部博税理士事務所まで~

PAGE TOP