今週担当の三谷です。
今年は感染症の影響でネガティブなニュースや話題が耐えなかった中、明るいニュースとして一際脚光を浴びていたのが「鬼滅の刃」ではないでしょうか。
映画やアニメの大ヒットから、最近では2020年の流行語のトップ10にも入り、12月4日には同コミックスの最終巻が発売され、各地の書店で大行列の争奪戦が繰り広げられたそうです。
さて、「鬼滅の刃」の時代背景は大正時代ですが、もし現代に「鬼滅の刃」の主人公である竈門炭治郎が所属する組織である「鬼殺隊」があった場合の組織や会計について考えてみたいと思います。
鬼殺隊はNPO法人
作中で日本各地の「鬼」を退治する組織として「鬼殺隊」という架空の組織が登場しますが、鬼殺隊の主な目的は鬼退治という社会課題に取り組む団体なので、現代ではNPO(特定非営利活動法人)に当てはまりそうです。鬼殺隊が「人格なき社団」である可能性も高いですが、ここでは法人格を有していることを前提に話を勧めます。作品の設定を落とし込んでいくと、このNPO法人「鬼殺隊」は以下のような組織図になりそうです。NPO法人の役員とは、理事と監事のことをいい組織としては理事は3名以上、監事は1名以上、合計4名以上の役員が必要です。
また、3親等以内の親族が役員の3分の1を越えて含まれてはいけない、という規定があります。つまり、親子2名を役員にする場合には、親族以外の人を4名以上入れなければなりません。この場合、役員の総数は最低6名必要となりますので、総勢9名の柱は理事として役員にあてはめています。ここでは主人公の竈門炭治郎は事務局の業務実行委員会に属する会員になります。
鬼殺隊も持続化給付金の受給は可能?
鬼殺隊に所属すると隊士には給与や食費なども提供されています。これらは代表理事である産屋敷様から捻出されていますが、隊士達が鬼から救った人々からの寄附なども考えられます。また本年では新型コロナウイルス感染症対策の一つである「持続化給付金」があり、鬼殺隊が寄附金等を主な収入源とするNPO法人であった場合、以下の要件に達している場合であれば給付対象となるため200万円の給付を受けられた可能性があります。
<給付要件>
(1)寄附金等が事業活動と密接に関連しており、当該法人の対象月の属する事業年度の直前の事業年度の寄附金等の学を経常利益の額で除した割合が50%以上であること。
(2)2020年1月以降任意の月(対象月)で寄附金等と事業収入の合計額が前年同月比で50%以上減少していること。
(3)対象月において、以下のいずれかに該当すること。
イ 感染症拡大の影響により、事業費支出が前年同月比で減少していること
ロ イに該当しない場合であって、事業の性質上、感染症拡大の影響等により、事業費支出を増加させる必要がある等の特別の事業が認められること
(4)特定非営利活動推進法における特定非営利活動に係る事業について、対象月の属する事業年度の直前の事業年度の活動実績があること。
鬼殺隊の支給品は福利厚生?
鬼殺隊では隊士に隊服や日輪刀(仕事道具)、鎹鴉(連絡手段)などが支給・貸与されています。
会社で従業員に支給する用品についてはどんなものでも福利厚生や消耗品にできるわけではなく、支給品の内容や使用用途によって計上方法は異なります。
鬼殺隊の支給品の場合は①現物支給であること。②私用には着用、使用しない又はできないものであること。③職場に属する者の全員又は一定の仕事に従事する者の全員を対象として行われているものであること。などの点から福利厚生費や消耗品での経費計上は可能であると考えられます。
ただし、とても社会通念上、常識的な範囲内での金額を超える高額品や、私用に利用が可能な物品、現金等である場合は給与としてみなされるケースがあるので注意が必要です。
最後に
NPO法人「鬼殺隊」も鬼問題という社会問題に取り組んでおり、多くの企業や事業主様も様々な問題・課題に全集中で取り組まれているかと思います。
12月は無限列車の如く忙しい日々が続く毎日かと思われますが、最後の1日まで「心を燃やして」頑張りましょう!
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