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役員、従業員の健康診断費用について

こんにちは、今週担当の山納です。

今日はハロウィンということで10月も本日で終わり、今年も残り2か月になります。

年の瀬が近づいてくると、私たちの業界的には年末調整を意識しだします。

今回は年末調整のお話ではないですが、保険会社から控除証明書が届いていると思いますので、

紛失しないように保管して頂き、お勤めの会社へ提出して下さいね。

 

健康診断の実施は事業者の義務

皆様のお勤め先で、健康診断を受けるよう会社から言われたことがある人は多いと思います。

事業者は、労働安全衛生法に基づいて労働者の健康確保のために、医師による健康診断の実施が義務づけられています。

そのため、会社は健康診断受けてね、受けてねと執拗に言ってくるわけです。

基本的には、労働者は事業者が行う健康診断を受けなければならないことになっています。

一般的な定期健康診断は、常時使用する労働者全てを対象に、1年以内ごとに1回の実施が求められます。

事業者に実施が義務づけられている健康診断の費用は、ほとんどの場合において事業者側に負担義務があります。

昔は、健康診断を実施していない事業者があったり、労働者が健康診断を受けなかったりしていた時代もあったようですが、

近年は働き方改革による意識の変化もあり、ほとんどの事業者が実施し、ほとんどの労働者が受診しているように思います。

 

健康診断実施後の取組事項

労働者に健康診断を受けてもらい、そこで終わっている事業者は多いのではないでしょうか。

実は健康診断実施後にもやらなければいけない取組事項があります。

せっかく受けた健康診断ですので、最後までやるべきことを実施して、意味のあるものにしたいですよね。

◆健康診断実施後の事業者の具体的な取組事項◆
1. 健康診断の結果の記録
健康診断の結果は、健康診断個人票を作成し、それぞれの健康診断によって定められた期間、保存しておかなくては
なりません。( 安衛法第66条の3)
2.健康診断の結果についての医師等からの意見聴取
健康診断の結果に基づき、健康診断の項目に異常の所見のある労働者について、労働者の健康を保持するために必要な措置
について、医師(歯科医師による健康診断については歯科医師)の意見を聞かなければなりません。( 安衛法第66条の4)
3. 健康診断実施後の措置
上記2による医師又は歯科医師の意見を勘案し必要があると認めるときは、作業の転換、労働時間の短縮等の適切な措置を
講じなければなりません。(安衛法第66条の5 )
4. 健康診断の結果の労働者への通知
健康診断結果は、労働者に通知しなければなりません。( 安衛法第66条の6)
5. 健康診断の結果に基づく保健指導
健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要がある労働者に対し、医師や保健師による保健指導を行うよう努めなければ
なりません。 ( 安衛法第66条の7)
6. 健康診断の結果の所轄労働基準監督署長への報告
健康診断(定期のものに限る。)の結果は、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。 (安衛則44条、
45条、48条の健診結果報告書については、常時50人以上の労働者を使用する事業者、特殊健診の結果報告書については、
健診を行った全ての事業者。)( 安衛法第100条)

 

健康診断費用の取扱い

株式会社や有限会社などの法人で話を進めていきます。

法人が負担する役員、従業員の健康診断費用は、既にお話した労働安全衛生法における健康診断実施の義務を根拠のひとつ

として、福利厚生費での処理が認められています。

全役員、従業員が同じ定期健康診断を受けるわけですから、福利厚生費としての経理処理もうなづけます。

しかし、たまに役員の方からこのような質問を受けることがあります。

「自分だけが人間ドックを受けたいんだけど、これって経費になりますか?」と。

 

これについて、経費にはなりますが、特定の者だけに人間ドックの受診機会を与えると、特別な利益の供与となってしまい、

この場合は福利厚生費ではなく原則としてその者への給与となってしまう可能性が高くなります。

そうなると、役員に関しては定期同額給与という考え方が崩れてしまい、望まない弊害が発生してしまうことになります。

そうならないための対応としては、健康診断や人間ドックなど追加健診の受診機会を特定の者に限定しないで、全役員、従業員

に与えていることがポイントとなります。

誰でも同じ健診を受けることが出来る、そうすることで、たとえ人間ドックの費用だとしても福利厚生費としての処理が可能に

なると考えます。

会社としては負担する費用が増えてしまいますが、継続的に事業運営をしていくために最も大事なのは「人」だと思いますので、

従業員が健康で元気に働いてくれるなら、決して高い負担にはならないのではないでしょうか。

 

~健康診断など経費計上の可否のご相談は、三重県鈴鹿市の税理士法人フラッツ・コンサルティングまでご連絡下さい~

 

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